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2019.12.25 センターお知らせ 

【参加報告】ESD推進ネットワーク全国フォーラム2019 「SDGsを地域で達成していくための人づくり」

12月20日(金)、12月21日(土)の2日間に亘り、ESD推進ネットワーク全国フォーラム2019「SDGs(持続可能な開発目標)を地域で達成していくための人づくり:ESD For 2030を見据えて」が国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で開催され、近畿ESDセンター事業の情報発信を行うとともに、蒔田が全セッションに参加してきました。
 
○日 時:2019年12月20日(金)13:00~18:15、12月21日(土)9:30~13:00
○会 場:国立オリンピック記念青少年総合センター
○主 催:ESD活動支援センター、文部科学省、環境省
○共 催:独立行政法人国立青少年教育振興機構
 
 全国から様々な立場の参加者(約270名)が情報交換や交流を行いました。ESD推進ネットワークのこれまでの成果について確認するとともに、ESD For 2030に踏まえた成果や課題について、多様な主体間が分野や地域を超えて意見交換すると共に、ネットワークのさらなる発展の有用性を考える機会となりました。
 
 フォーラムは5つのセッションで構成され、全国から様々な立場の方が実践発表等を行いました。
 
 近畿エリアで活動されている組織では、近畿ESDコンソーシアム事務局長の中澤静男さんが、セッション4:分科会1「新しい学習指導要領をふまえ社会とすすめるESD」のファシリテーターとして、成果や課題、今後の可能性などについて意見交換の場をデザインされました。
 
以下、各セッションの概要をご報告します。
 
◆セッション1 ESDの国際動向・国内動向
 
<内容>
 本フォーラムでの意見交換の基本となる事項の共通理解のために、国内外・国際的見地から、文部科学省・環境省施策の動向について情報共有が行われました。
 具体的に文部科学省からは、グローバルアクションプランの成果と概要、SDGsアクションガイド2020、新学習指導要領のポイント、ESDの推進に係る動きとしてESD for 2030プレ・ローンチセッションや国連ハイレベルウィークにおけるサイドイベントなど、積極的に日本が海外に向けて発信している事例等の紹介がありました。環境省からは第5次環境基本計画の根幹となる地域循環共生圏の考え方やESD推進ネットワークの体制や取り組み状況、成果と概要のとりまとめの状況についての紹介がありました。

◆セッション2 パネルディスカッション:SDGsを地域で達成していくための人づくりとそのためのネットワークのさらなる展開
 
<内容>
 地域でESDに取り組んでいる教育委員会、学校、社会教育、自治体、企業等のセクター別の実践の例に学びながら、SDGsを地域で達成していくための人づくりについて、ローカルとグローバルを関連付けながら、ESDがさらに広がり深まるために、今後、ESD推進ネットワークをどのように発展させることができるのかについてパネルディスカッションが行われました。
 最初は各パネラーによる取り組み紹介がありました。教育委員会の立場から、斎藤氏(福島県只見町教育委員会 前教育長/只見町ブナセンター長)からは、只見町の取組について後悔、再発見、脱皮をキーワードにして紹介されました。学校の立場から、輪湖氏(墨田区立両国中学校 主任教諭)からは、墨田区でのSDGsを活用した学校教育実践事例が紹介されました。社会教育の立場から、山口氏(島根県立しまね海洋館)からは、「ESD実践拠点施設」として多様な主体による推進した事例が紹介されました。自治体の立場から、東福氏(富山市環境政策課 課長代理)からは、大学、金融機関、企業と連携(包括連携協定)を通じた人材育成の取り組みが紹介されました。企業の立場から、池内氏((IKEUCHI ORGANIC 株式会社 会長)からは、持続可能な社会に向けて社会貢献活動(人材育成)の紹介がありました。
 パネルディスカッションでは、持続可能をテーマに意見交換がなされ、「自分事」「想いを共有」「コーディネート能力」「SDからESDに」「学びの連鎖」「学校外の主体との連携によるESD」といったキーワードが挙げられました。

◆セッション3 グループディスカッション:地域でESDを広め、深めるための課題と工夫
 
<内容>
 参加者自身のESD実践や関心に基づき、ESD for 2030の国内実施に向けて、自分事として、グループディスカッションを行いました。
 これまでのESD推進ネットワークの成果と課題というテーマについて、セクターごとに班を振り分けて意見交換を行いました。私が参加した国・自治体セクターでは、ネットワークについて一定の成果が出たものの、ESD for 2030に向けて、さらにネットワークを強固に、また、継続的な取り組みにしていくことが共有されました。

◆セッション4 分科会:ESD for 2030を見据えたESD推進のあり方
 
<内容>
 5つの分科会テーマごとに、ESD実践に関わる話題提供を受け、様々な組織の視点からESD for 2030の国内実施計画の策定に向けての提案のために意見交換を行いました。
分科会1:新しい学習指導要領をふまえ社会とすすめるESD
分科会2:企業がめざす地域におけるSDGs人づくり
分科会3:ユースと共に進めるマルチステークホルダーの連携
分科会4:体験活動を提供する組織内のESD意識醸成
分科会5:AI等の技術革新と教育・人材育成について考える
 
 私は、分科会4に出席しました。分科会4では国立青少年教育振興機構とジオパークの取り組みについて共有された後、参加者同士で意見交換を行いました。参加者からは対象に応じた情報量の変化、異動に耐える外部への仲間づくり、自己肯定感の向上が重要であることが共有されました。

◆セッション5:全体総括
 
<内容>
 分科会成果を共有し、フォーラム全体をふりかえり、成果と今後の展望を共有しました。
 分科会1からは、新学習指導要領をふまえて地域との連携が重要で、カリキュラムに位置付けることが大切だという点が共有されました。分科会2からは、企業がめざす人づくりに向けて、それぞれの主体間が補い合うことが大切だと共有されました。分科会3からは、ユース自身のわくわく感や楽しさ、本気度、過去のユースイベントでの経験が重要であることが議論されました。分科会5からは、AI等の技術革新において、バーチャルとリアルが補完しあうようなことがさらに効果的であることが共有されました。
 セッション2からは、各発表者からのポイントが共有されると共に、まとめとしてESDはSDGsの心臓であり、ESD for 2030を日本が主導し、地域創生に貢献することが大切であるとご報告がありました。
 セッション3からは、各セクターで意見交換した結果のとりまとめが共有されるとともに、達成したい目標のギャップがセクターごとに存在していることが報告されました。

フォーラムでは、普段出会う機会が少ない全国組織として活動している方たちと出会うことができました。平均化を図りつつも地域特性を最大限に活かしながらESD推進に努めておられることが分かりました。近畿ESDセンター事業においても、全国のESD/SDGsの動向や地域のESD/SDGsの認識度、また地域特性等について、これまで以上に情報収集をすることで、より内容を充実させていけるのではないかと感じるフォーラムとなりました。
 
蒔田(コミュニケーションディレクター)

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