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2018.11.12 センターお知らせ 

「ひとつの動物の命を守ることは、全ての生物を保全すること」大阪市天王寺動物園 その2

近畿ESDセンターでは、昨年度に続き、平成30年度も学校教員のESD推進を応援する拠点を取材しています。
9月19日に天王寺動物園を訪問し、教育普及担当の高坂さんと市川さんにお話をうかがいました。

ひとつの動物の命を守ることは、全ての生物を保全すること天王寺動物園 プログラム その1はこちら
 
「その1」では、動物園で、実際の動物たちを目の前にしたり、職員の方との交流を通じたりといった学びのプログラムをご紹介しましたが、「その2」では、動物園での学習の前後にも学校で実践できる「ZOOパック」の活用について、元小学校教員の中澤(地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)のコメントと共にご案内します。
 
平成30年度新たに作製され、貸出が始まっている、その名も楽しい「ZOOパック」ですが、色々なアイデアが満載です。
 
ハンズオン(触って確かめることができる)教材やワークシートを使って動物について楽しく学ぶことができます。40分間で学校での授業に活用できるように考えて作られており、パワーポイントのCDや指導者用のテキストもついているので、授業の流れを考える際の大きなヒントになり、紙芝居や絵本での導入と違った観点から子どもたちの興味・関心を引くことができます。
動物公園事務所まで教材を引き取りに行ける学校なら、大阪市内に限らず無料で貸出可能だそうです。
 
「ZOOパック」は、学校での活用を念頭に、4つのプログラム全て学習指導要領に準拠した形で作製されているので、活用できる学年・教科・単元がすぐ分かり、また活用次第では、関係学年以外でも学習に取り入れることが可能となります。
その4つのプログラムをご紹介します。
 
①こんにちは、赤ちゃん 対象学年 1・2年生 生活科
動物の赤ちゃんの実物大の大きさや容姿をぬいぐるみやパネルなどで再現しています。あんなに大きなホッキョクグマの赤ちゃんは、びっくりするほど小さく、キリンは生まれたときから大きいことが分かります。卵で生まれるペンギンなども含まれています。お母さんはこのくらいの大きさ、と親と対比することも可能です。どの動物も愛情を注いで子育てをしていることを学ぶことにより、人間も動物も尊い命をもってこの世に誕生したことに変わりないと気づくでしょう。

写真提供:天王寺動物園
 
 
②骨と関節「かっくん、ぐるぐる、くーねくね」対象学年3・4年生 理科
ヒトの体が骨と筋肉のパーツによって構成されていることを学ぶために、摸型を触ってその曲がり方(蝶番関節・球関節・平面関節)を確かめることができます。身体の部位によって関節の曲がり方がちがうことがよく分かり、ヒトや動物が身体を動かすしくみの素晴らしさを実感することによって、生命を尊重する態度を養うことができるでしょう。

写真提供:天王寺動物園
 
 
③命のつながり「肉食動物・草食動物の体のちがい」対象学年5・6年生 理科
毎日の食事を導入に、自然界の食う・食われるの関係、人間が環境に与える影響を考えるきっかけをつくります。草食のシカと・肉食のオオカミの頭蓋骨標本も入っており、歯、手足、爪など、ちがいを実際に触れて確かめながら身体の作りが学べます。
「命のつながりのワークシート」は動物がたくさん書かれていて、食う・食われるの関係を書きこむことができ、自分の好きな動物を真ん中に書いて関係を確かめられるようになっており、食物連鎖において、この地球上の生き物が互いに関わり合いながら暮らしていることが分かり、生物多様性の大切さに気づくことができるでしょう。

 
④考えてみよう「生きものの仲間分け(分類)」対象学年 中学校1年生 理科
沢山の動物カードが入っていて、カード分類していくことにより、分類の基準や生きものの共通点と相違点に気づくことができます。グループ学習にも活用できます。
絶滅の危機にある動物の生息域を守るため、自分たちに何ができるか考えることによって、自分自身の生活も見つめなし、持続可能な地球の未来を築くための行動化につなげることができるでしょう。
 
天王寺動物園へのお問い合わせ・予約窓口は、
大阪市天王寺動物公園事務所(教育普及担当)
電話:06-6771-8404
住所:〒543-0063 大阪市天王寺区茶臼山町1-108
 
今回、天王寺動物園で職員の方のお話から、子どもたちに地球上のさまざまな環境の問題や、生き物が置かれている状況についても理解を深めてほしい、という想いをお聞かせいただきました。動物園のプログラムを活用することで、動物たちからのメッセージという形で、子どもたちに伝わりやすい授業の展開が期待できると感じました。
 
ぜひ、動物園の学びを教室での学習に活かしていただきたいと思います。
 
(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

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