平成29年度、近畿ESDセンターでは、学校教員のESD推進を応援する拠点を取材しています。
10月4日に、京エコロジーセンター(京都市環境保全活動センター)を訪問し、事業部長の谷内口さん、事業課長の遠藤さん、事業第1課の青山さんにお話を伺いました。
京エコロジーセンターは、地球温暖化防止京都会議(COP3)を記念して平成14(2002)年に開設された、環境学習や環境保全活動推進のための拠点施設で、環境にやさしい活動の輪を広げるために京都市内外に学びの機会を提供しています。
京都市では、京都議定書誕生20周年にあたる今年、持続可能な社会の構築に向け一層の環境教育・学習促進の方向性を示すべく、「京都市環境教育・学習基本指針」(平成29年3月)を策定しました。この基本指針においても、京エコロジーセンターが、他の学習施設とも連携して、様々な環境教育・学習の機会・場づくりの充実を図ることを目指す方向性が示されています。
以下、京エコロジーセンターの活動概要について、元小学校教員の中澤(地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)のコメントと共にご案内します。
京エコロジーセンターの見学で体験できる環境学習プログラムはこちら!
京エコロジーセンターには、地球温暖化やごみ問題について、見て、触れて、感じて、学べる体験型の展示がたくさんあります。施設見学を授業の導入に位置付けることで、体験を通して感じた疑問や発見を、自分の家庭、学校、地域で取り組むべき課題の設定へとつなげ、子どもたちの学ぶ意欲をさらに高める事が期待できると思われます。あるいは、学校の授業で、環境に関する資料などから学んだ知識をさらに深めたい子どもたちが家庭学習などで活用でき、体験から学ぶことで実感を伴ってより具体的に理解できるようになると思います。
社会見学・校外学習等、団体で見学可能な学習プログラムには、下記のようなメニューが用意されています。プログラム全体の進行は京エコロジーセンターの職員の方が行い、グループ別体験の際には、環境ボランティア(エコメイト)が学習をサポートしてくださいます。クラスや学年で一斉に説明を聞く受身の見学ではなく、コミュニケーションを大切にしたグループワークや、体験を通した気づきや発見のふりかえりといったまとめの学習も、子どもたちの学びの定着に大切な要素です。
・ごみへらし隊「3Rについて学べる」 小学4年生~/~60名/60分
3Rの意味を知り、実際に捨てるごみを減らすために自分たちができることをグループ内で考え合う学習プログラムです。
3Rからリサイクル以外の2Rへと意識することの大切さを学び、ごみの分別の必要性を、体験を通して理解することができます。
・CO2地球温暖化ふせぎ隊「地球温暖化について学べる」 小学5年生~/~60名/60分
電気・水・ごみのテーマ別に分かれ、各グループで「発電」「節水」「ごみの減量」といった実際の体験を通して、自分たちの行動について考え合います。地球温暖化と自身の生活がつながっていることを知ることで、環境を意識した行動のきっかけをつくることをねらいとしたプログラムです。
・エコセンたんけんクイズ「環境の展示を中心に学ぶ」 小学校中~高学年/~60名/40分・60分
ワークシートを使い、館内を探検しながら、京エコロジーセンターの建物や展示に関するクイズについて考えます。普段の生活の中でできるエコな工夫や、自分たちの暮らしと環境とのつながりを学習するプログラムです。
・エコ虫たんけん「低学年でも楽しく学べる」 小学校低~中学年/~60名/60分
ワークシートを使って「エコ虫」を探します。探しながら、建物の環境に配慮した設備や家庭でできるエコな工夫が学べます、環境に対する関心を持つきっかけとなるプログラムです。
「その2」に続く
(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)
(写真提供:京エコロジーセンター)