平成29年度、近畿ESDセンターでは、学校教員のESD推進を応援する拠点を取材しています。
10月19日にJICA関西を訪問し、JICA関西 市民参加協力課の三浦さんにお話を伺いました。
グローバル化が急速に進展する現在の社会において、子どもたちが我が国の国際交流や国際協力の様子を知り、国際社会における日本の役割を考える学習は必須と言えます。
言葉や事実の説明だけに留まらないために、JICA関西の「世界を知って、考えて、行動しよう!」という開発教育支援プログラムは、正に国際協力の現場を体感できるものです。
お話を伺って、未来を担う子どもたちに何を与え、どんな方向を示していけばよいのか、教育現場の先生方と一緒になって常に模索しながら事業を進めておられる三浦さんの意気込みを感じました。
JICA関西のプログラムは、近畿圏内の全ての学校から申し込むことができます。また、近畿2府4県の全ての学校に毎年パンフレットを配布しているそうです。是非手にとって、ご自身の教育実践に役立つプログラムを探って頂きたいと思います。
パンフレット開発教育支援事業のご案内
以下、児童・生徒向けの主要なプログラムについて、元小学校教員の中澤(地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)のコメントと共にご案内します。
【学校の児童・生徒向けのプログラム】
①「JICA国際協力出前講座」教室に世界がやってくる!
開発途上国の現状を知り、国際協力の必要性を理解する機会を提供するため、青年海外協力隊のOB/OG、技術協力専門家、JICA職員などの国際協力経験者が学校に出向くもので、開発途上国での生活やJICAの事業についてお話を聞くことができます。
国際協力経験者の思いや願いに直接触れ、自分達の生活と途上国や世界との関係を見つめ直すことで、「自分は豊かな日本に生まれて良かった」という傍観者的な意識から、「自分たちのライフスタイルや考え方が、未来の地球を作っていく」という当事者意識を持つことにつながるでしょう。
②「JICA海外技術研修員との交流」世界と出会う!
JICAは、日本が有する知識や技術・経験を開発途上国の発展に役立てるべく、国づくりの中心となる行政官・技術者・研究者などを対象に、各専門分野の研修を実施しています。各国から来日中の研修員と交流するプログラムで、一緒に遊ぶ、給食を食べるなどといったことから、日本と途上国の環境問題について質疑応答を行うといったことまで、子どもたちの発達段階に応じた企画が提案できます。
このプログラムでは、途上国の人が実際に学校にやって来て対話できるので、子どもたちにとって大変貴重な体験になるでしょう。子どもたちが全然知らないような国や、あまり馴染みのない国の人との交流体験を通して、発展途上国に対する理解、多文化共生についての意識の向上につなげてほしいと思います。
「その2」へ続く
サムネイル写真:JICA関西提供