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2018.02.08 センターお知らせ 

ESDを実践できる教員の養成をめざして! 近畿ESDコンソーシアム その2

平成29年度、近畿ESDセンターでは、学校教員のESD推進を応援する拠点を取材しています。
11月2日に奈良教育大学を訪問し、近畿ESDコンソーシアム 事務局長の中澤静男さん(同大学准教授)にお話を伺いました。
 
ESDを実践できる教員の養成をめざして! 近畿ESDコンソーシアム その1はこちら
 
「その2」では、近畿ESDコンソーシアムの、大学機能を活かした講座の狙いや、小・中学校に向けた取組について、元小学校教員の中澤(地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)のコメントと共にご案内します。
 
 
●なぜ、連続セミナーなのか?
平成26年度日本/ユネスコパートナーシップを受託し、ESDに関する指導力の向上を目的とした教員養成プログラムを作成するにあたり、「ESDを実践できる教員に求められる資質・能力を明らかにし、それを養うための研修プログラムを開発するにあたって、全国の教育委員会へのアンケート調査やESDの先進的実践家へのインタビュー調査を行われたそうです。
その結果、「教員として、学級経営、生徒指導、授業力、教科教育、子ども理解は必須と言える。それに加えて、SDGsの17の目標などへの関心、地域を教材化するための課題発見力や地域でのコミュニケーション力、単元デザイン力が求められる。つまり、ESDは教員にとっての応用問題である。このような力を養うためには、研修は単発ではなく系統的・連続的に行うことが必要である。」といったことが見えてきたことにより、研修を連続セミナーの形で実施することの重要性を確認されたと中澤さんから伺いました。
 
学校の研究主題、研究科目等においても、年間を通しての研修や、ある一定期間研究を継続して行うのが通常と言えますから、系統的・連続的な研修の有効性は頷けます。

写真:熱心にグル―プ討議を交わす奈良の教員と奈良教育大学の学生
 
●ESDティーチャー認証制度とは?
「ESDティーチャー」とは、学校や地域においてESDを適切に計画・実践できる教員のことを指す名称で、奈良教育大学では教員養成大学として「ESDティーチャー」を認証する制度をつくっておられます。
「レポートその1」で述べた連続セミナーへの参加、レポートの作成、ESD学習指導案の作成等によって認証され、「マスター」「スペシャリスト」と、レベルアップも図れる仕組みになっているそうです。
 
 
 
●小・中学校におけるESD実践の質的向上のための活動支援
◆奈良市中学校合同生徒会リーダー研修会(夏休みに実施)の活動支援:
奈良教育大学を会場に、奈良市中学校各校の代表として生徒会役員の生徒が集まり、生徒会運営上の情報交換や、意見交換など行います(昨年は13校から57名が参加)。
また、ESDに取り組む意義を知ってもらうことを狙いとして、各校生徒が一人ずつ入ってグループを作り、奈良教育大学のユネスコクラブの学生がサポートして、グループ内で話し合ったことを創作劇にして発表を行うそうです。
中学生にとって、初めて出会った人と意見交換や、劇をつくって演じるなど、なかなかハードルが高いと初めは感じるかもしれませんが、互いに協力して一つのことをやり遂げるという貴重な経験を活かして自分の学校の生徒会運営にも、大いに役立っているようです。
 
◆小学校の野外活動支援:
奈良市では、全ての小学校が5年生で野外活動を実施しています。要請のあった小学校の野外活動には、ユネスコクラブなどの学生を派遣して、環境学習など、ESDの要素を盛り込んだ体験的な野外活動をサポートしているそうです。
近年の少子化で、1学年のクラス数が2クラス、あるいは単学級というところも増えてきました。実際問題として、野外活動を指導できる先生の数も限られてきます。そのようななかで、貴重な自然とのふれあいを盛り込み、体験の幅を広げることができる、近畿ESDコンソーシアムの学生派遣の取り組みは嬉しいですね。
 
◆小学校のICT学習の支援:
小学校で行うパソコンを使った授業を、奈良教育大学の学生がサポートしてくれます。今や、小学校でもパソコンの授業は必須です。先生の苦手意識を払拭し、子どもたちが楽しくパソコンを学べるお手伝いをしてもらえるので、学校としては将来教員を目指す学生の得意分野を活用した授業の成果が期待できますし、学生にとっても、現場の先生方の指導に触れる事ができるよい経験となるでしょう。
 
 
また、近畿ESDコンソーシアムでは、ESD研修会・ESD実践交流会を開催し、関係組織団体の輪を広げています。
 
大学の機能を生かした近畿ESDコンソーシアムでは、学校、教育委員会、自治体環境部局、事業者、地域団体、社会教育施設等、地域の多様な主体と連携してESDを推進されています。
「ESDを推進することが、持続可能な社会の“土台”を作ると考え、活動しています」という中澤さんお話から、ESD実践に向けて生き生きと学ぶ先生方、現職教員の学ぶ姿勢に刺激を受けてESDを熱心に勉強する教員志望の学生たち、ESD授業で児童・生徒と一緒に持続可能な地域づくりに取り組む地域の方々など、多くの笑顔が持続可能な地域、持続可能な世界をつくっていく一歩になっているのだと感じられました。
 
もっと情報をお知りになりたい方は、是非ホームページにアクセスしてみてください。
近畿ESDコンソーシアムホームページ
 
(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)

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