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2017.12.21 センターお知らせ 

池田市“地域まるごと環境学習”ってどんな学習?その2

 平成29年度、近畿ESDセンターでは、学校教員のESD推進を応援する拠点を取材しています。
 10月20日に、NPO法人いけだエコスタッフ理事長の庄田 佳保里さんにお話を伺いました。
 
 池田市“地域まるごと環境学習”ってどんな学習?その1はこちら
 
 「その2」では、“地域まるごと環境学習”ホームページで紹介している出前授業の一例を、元小学校教員の中澤(地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)のコメントと共にご案内します。
 
・行政の専門部局と連携した授業づくり
【この木なんの木】
 樹木医を講師に、樹木の生態・病気などについて説明を聞き、国内外の緑と環境について気づくことができます。実際に校庭の樹木を一緒に観察することで、身近な植物などに対する興味を持つきっかけになります。<実施者・・・NPO法人いけだエコスタッフ >
 各自治体の専門部局では、学校に対してその専門性を踏まえた支援相談に応じています。
樹木の生態についてはよく知らない教員でも、小学校の各学年の理科や総合的な学習で、樹木医の専門的な知識を活用することで、子どもたちの疑問に的確に答えることができ、地球全体の環境にも目を向けていくことも可能です。また、樹木医という仕事の重要性にも触れ、様々な人々の協力が環境を守ることにつながっていることに気づかせることができるでしょう。
 
・地域の大学と連携した授業づくり
【大学生と考える環境の出前授業】
 関西大学の学生が教員と一緒に授業を企画し、地域を題材とした問題解決型の学習を展開します。テーマは学校の意向をふまえ関係者で協議して決定します。市、大学生、いけだエコスタッフなどが協働してサポートしながら、地域の方々の協力のもと進めていく、グループワーク型の授業です。(2時間枠で5回程度)<実施者・・・池田市環境政策課、関西大学橋口ゼミ、NPO法人いけだエコスタッフ>
 総合的な学習の時間などに活用していくこともできます。大学生が各グループに入るので、ディスカッションのサポートも可能となり、子どもたちも意欲的に取り組めると思います。また、安全に配慮した校外学習ができます。関係者間の充分な協議と連携がこの授業の成功につながるでしょう。
 
・教員を対象とした出前授業
【校区の地域資源を発見し授業に活かすためのタウンウォッチング】
 市職員などが教員と一緒に街歩きをして身近な地域資源(こと・もの・ひと)を探し出すサポートをします。教員は校区を巡ることで校区の情報が得られ、地域学習に役立てることができます。<実施者・・・NPO法人いけだエコスタッフ>
 これは、夏休みの職員研修などで、「先生たちの町探検」ができそうです。地域に詳しい人と目標をもって校区巡りをする事で、校区の中の思わぬ発見をしたり、子どもたちの地域での生活の場がよく分かるなど、有意義な研修になると思います。
 
 以上、いくつかご紹介しましたが、出前授業は単元の流れの中で、導入として使うこともできますし、子どもたちが出した疑問から、もっと広げていきたい時に利用することもできます。
 教員が現地に出向いて様々なことを調べるのは、かなりの時間と労力を要します。専門家と連携した授業づくりによって教員の負担軽減になるだけでなく、本物と出会わせることにより、子どもたちが興味を持ち意欲的に学ぶことが期待できます。また、授業の質を高めることをねらって授業を組み立てることは、教員の力量アップにつながることが期待できます。さらに学校外に目を向けるきっかけとなり、広い視野で教育を考えるきっかけにもつながると思います。
 
 いけだエコスタッフは、池田市立3R推進センター(エコミュージアム)の運営も行っています。リサイクルショップ型で、3R=リデュース(ごみを減らす)、リユース(ものを繰り返し使う)、リサイクル(ごみを資源として再利用する)を日常で実践できる施設です。こちらも環境学習拠点のひとつとして活用してみてはいかがでしょうか。
 
(中澤 地域教材化コーディネーター・学習指導コミュニケーター)
 
写真1:「この木なんの木」授業の様子(提供:NPO法人いけだエコスタッフ)

写真2:大学生と考える環境の出前授業の様子(提供:NPO法人いけだエコスタッフ)

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